押し入れの奥にしまい込んでいたマウンテンバイク。
ひょんなことから、久しぶりに乗ってみようと引っ張り出してみた。20年近く乗っていなかったのだが、室内保管だったので見た目は結構キレイ。

1997年に購入した「KLEIN Puls RACE」。当時20代だった私は、電車通勤になったため乗らなくなったクルマ(パジェロミニ)を手放したのだが、「代わりに」と妻が買ってくれたマウンテンバイクである。
当時、「KLEIN」といえば美しい溶接で有名なバイクメーカーだった。しかし、購入した1997年にはTREKに買収されており、このモデルからは普通の溶接になってしまっていて、その後ブランド自体もなくなってしまった。
バイク自体はとても気に入っていて、地元のトレイルやロングライド、草レースなどなど楽しく乗っていたのだが、30代になって徐々に乗る頻度が減っていき、いつしか押し入れの奥にしまい込んでいたのである。

ざっと状態を確認したところ、フレームやドライブトレインは特に錆などもなく、良好な状態。
タイヤは劣化はしているものの、使えなくもないような感じ。そのまま使ってみたが、20kmほど走ったらサイドウォールが裂けた。チューブは当然ダメだろうと思ったら、前輪のほうは普通に空気が入ったので、同じく20kmほど走ってみたところ問題なし。スゴイ!
コンポ回りは、ブレーキはワイヤーの錆もなくメンテすれば問題なさそうだが、シフターはフロント・リヤともにレバーが全く動かない。どうやら古いグリスが固まって固着しているようだ。ググってみると、分解してグリスアップするか、潤滑オイルを吹き付けてガチャガチャすればよいらしい。
ちなみにコンポの構成は、リヤディレーラーとフロントブレーキがXTRで、それ以外はデオーレ・STX RCなどの組み合わせになっている。自分で選んだ訳ではなく、完成車のときからリヤディレーラーだけXTRだった(フロントブレーキはレースで折ってしまったので自分で交換)。
なぜリヤディレーラーだけXTRなのか購入店で聞いたところ、一番目立つパーツだから最上級グレードになっていると言われた記憶がある。今から思うと、バブル時代の名残のような話だ。

とりあえず、シフトレバーの隙間からシリコングリスを噴射してみたが、全く動く気配がない。シリコングリスでは粘度が高すぎて潤滑できていないようだ。
密閉されているパーツなので、CRC-556のような強力な潤滑剤は樹脂部品を痛めてしまいそうだ。思い切って分解することにした。
特殊な工具は不要で、カバーを外すためのプラスドライバーと、レバーの軸を固定しているボルト(たしか10㎜)を外すスパナがあればOK。小さくて強いバネをはめる必要があるので千枚通しがあると便利(というか必須)。

また非常に細かい部品が複雑に組み合わさっているので、組み立て順がわかるようにこまめに写メを撮っておいたほうがいい。
分解は特に難しくなかった。組み立ては前述のバネをはめるのに手こずったが、なんとか完成。この手の作業が苦手な方は、プラスティックやゴムを痛めないタイプのCRC-556(無香性)などを使った方がいいと思う。別のバイクのシフターで使ったが、2~3か月経過しても問題は出ていない。

フロントフォークは、「ANSWER MANITOU SPIDER R」。
当時から動きは渋かったので、20数年を経てリジッドフォークみたいにカチカチになっているかと思ったが、なんとノーメンテでも動いた。今のようなエアサスではなく、エラストマーという樹脂がクッションになっているというシンプルな構造のせいだろうか。

セライタリア フライト
サドルは、セライタリアのフライト。当時は、サイドがケブラー繊維で補強されているサドルが流行っていた。特に破れ、ほつれなどは見られず、まだ使える状態。サドルバックも当時のもの(ドイター)だが、こちらも問題なかった。

復活したKLEIN
結果、シフターの分解清掃、シフトワイヤー交換、ドライブトレインの洗浄・注油、チューブ交換で、とりあえず乗れるようにはなった。さすがにトレイルは厳しい気がするが、ポタリングなら十分楽しめる。
ここまで作業したところで、最近のマウンテンバイクはどんな感じか見てみようとググってみた。試しにTREKのバイクをみてみると・・・
あれ? フロントディレーラーがついてない? タイヤが大きいような・・・29インチ? まさに浦島太郎状態なのであった。
購入編へ続く。
了
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