バークリバー ブラボー1

バークリバーのブラボー1は、人気の高いナイフで、私も一番のお気に入りナイフです。
特に気に入っているのは、全長230mm前後とコンパクトながら、刃の厚みは5.5mmもある点です。普通、このくらいのサイズなら、刃の厚みは3〜4mmのものが多いなかで、バークリバーのこだわりを感じます。

また、構造がシンプルで「とにかく頑丈」なのも良いです。
ブラボー1が現在のような人気モデルになったのは、どのような経緯があったのでしょうか。


フォースリーコンとブラボー1

当初、ブラボー1はアメリカ海兵隊のフォースリーコン(Force Recon Units:武装偵察部隊)の要求仕様を満たすため、設計されました。 2007年の出荷開始後、14,000本以上のブラボー1を世に送り出しているといいますから、スゴイものです。

そもそも、事の発端は2006年の出来事でした。フォースリーコンの関係者が、多数のメーカーのナイフに対して、酷使に耐えられるものかどうかテストを行ったのです。このテストは事前にメーカーに告知されず、市販モデルを使って行われました。

テストの結果、ほとんどのナイフは壊れるか、使用できなくなるほどのダメージを受けていましたが、たった2本のナイフだけがテストをクリアできました。 そのうちの1本が、バークリバーのゲームスキーパーでした。

写真:ゲームスキーパー(バークリバー社HPより)
*ゲームスキーパー(バークリバーHPより)

このテスト結果をもとに、フォースリーコンからいくつかの変更要求が出され、そこから生み出されたのがブラボー1です。


実用性重視の変更

では、どのような変更がなされたのでしょうか。
  • ランプ(親指を掛けるための突起)を追加。
  • ヒルトを廃止し、ハンドルと一体のガードに変更。
  • チョイルを廃止。
これらの変更に対しては、個人的な好みによって賛否両論分かれそうですが、一貫して言えるのは実用性を重視した変更だということです。

ただし、ランプについては、「指が痛くなる」という意見が散見され、後に「フィールド」というランプのないモデルが発売されています。
(ランプに関しては「使い方を間違っている」という指摘もあることを追記しておきます。Barkriverの説明では、ランプのハンドル側に親指を置くのは間違いで、ポイント側に親指を置くのが正しいとのことです。ハンドル側の刻み目は、ファイヤースティールを引くためのものだそうです)

また、重心が人差し指の上にくるように調整されている点にも注目すべきです。 ブラボー1は、刃の厚さが5.5mmもあるうえ、フルタング構造を採用しています。

このため、必然的に重量増は避けられず、ハンドル側に重心が寄ってしまいます。ブラボー1は、ハンドル内部の鋼材を肉抜き(skeletonizing)することで、重心を人差し指の上に移動し、バランスを調整しています。 このバランス調整のおかげで、200gを超える重量にも関わらず使いやすいナイフに仕上がっています。

このような経緯を経て、バークリバーは「野外での酷使に耐える頑丈なサバイバルナイフ」という目標を達成したのです。

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