火口(ほくち)とは

ファイヤースティール火打石の火花で着火するための燃えやすい材質のものを、火口(ほくち)といいます。

良く燃える材質ならなんでも良いのですが、意外なものが火口になったり、よく燃えそうなものでも意外と燃えなかったりします。

ものによっては使い勝手が変わりますので、色々と試して自分のお気に入りを持ち歩くようにすれば良いかと思います。

麻ひも

繊維状にほぐすと、ファイヤースティールで着火できるようになります。ひものままバックパックに入れておけば、ひもとしても火口としても使えます。簡単に着火しますが、あっというまに燃え尽きてしまうので、焚き付けは十分に用意しましょう。100均で購入できるのも魅力です。

チャークロス

綿布を空き缶などにいれて火に掛け、炭化させたものをチャークロスといいます。非常に着火しやすく、火打石の小さな火花でも着火します。燃焼速度は非常に遅く、ゆっくりと燃え続けます。そのままでは燃え上がらないので、よく乾燥した焚き付けで包み、十分に酸素を送り込んで燃焼させる必要があります。
作るのも着火するのも手間がかかりますが、アウトドアマンならぜひ使い慣れておきたい火口です。

コットン(わた)

救急箱に入っている綿のわたです。少しほぐせば簡単に火がつき、よく燃えます。火口に使うのは少しもったいないような気がしますが、救急キットにいれておけば、応急処置にも火口にも使えて便利ですね。

ワセリン

単体で燃やすことはできませんが、麻ひもをほぐしたものやコットンに染み込ませると長時間燃えるようになります。傷口や火傷の応急処置、靴擦れ予防など、幅広い用途があるので、救急キットにいれておくと良いでしょう。

ティッシュペーパー

着火しやすくよく燃えるので火口として使えます。トイレットペーパーも使えますが、ティッシュペーパーの方が繊維が柔らかく、燃えやすいように思います。これも一瞬で燃え尽きますので、十分な焚き付けを用意します。
ポケットティッシュの場合、衣服のポケットに入れていると、汗で湿って着火しにくくなる場合があります。

イソプロパノール含浸不織布

イソプロパノールとは、注射の際に消毒用として使われる消毒用アルコールです。イソプロパノールを染み込ませた不織布を一包ずつ包装されたものが、薬局などで販売されています。防水性が高く、よく燃えるので使いやすい火口ですが、一包につき8〜10円かかるのでコストパフォーマンスは悪いです。応急処置用として救急キットに入れておけば、いざというときに火口として使用できます。

燃料用アルコール

火口といっていいかどうかわかりませんが、薬局などで購入できる燃料用アルコールを小分けにしておけば、火口の代わりになります。ガソリンのように爆発的に燃えることはないものの、取扱いには注意が必要です。
アルコールストーブユーザーでなくても、少量持っておくと非常時に役立つかもしれません。

ファットウッド

樹脂を多く含んだ木片をファットウッドといい、松の倒木などから採取できます。切り口から松やにの香りがすればファットウッドです。ナイフで削れば簡単にファイヤースティールで着火でき、長く燃えます。

フェザースティック

木の枝をナイフで薄く削り出したものをフェザースティックといい、ファイヤースティールで着火することができます。ただし、ファイヤースティールの火花で着火するにはかなり薄く削る必要があり、コツがいります。

雨の日で乾いた火口がなくても、薪の中心の乾いた部分でフェザースティックを作れば、ファイヤースティールで着火することができます。と、書くのはカンタンですが、実際には雨の日にフェザースティックを削り出して火を起こすのは難易度が高いです。火口は濡らしてしまわないよう、注意しましょう。

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